【会社法】

会社法の改正について


  改正会社法は、株式会社をめぐる最近の社会経済情勢に鑑み、社外取締役等による株式会社の経営に対する監査等の強化、並びに株式会社及びそのグループ企業の運営の一層の適正化等を図るため、監査等委員会設置会社制度を創設するとともに社外取締役等の要件等を改めるほか、株式会社の完全親会社の株主による代表訴訟の制度の創設などの措置を講じるものとなっています。

◎企業統治について
1.社外取締役選任の義務付けの見送り
社外取締役の選任の義務付けについては見送られたものの、事業年度の末日において公開会社かつ大会社である監査役会設置会社であってその発行する株式について有価証券報告書提出義務を負う株式会社が社外取締役を置いていない場合には、取締役は、当該事業年度に関する定時株主総会において、「社外取締役を置くことが相当でない理由」を説明しなければならないとされました。
また、法務省令により、当該株式会社が社外取締役を置いていない場合には、「社外取締役を置くことが相当でない理由」を事業報告の記載事項とするとともに、社外取締役の候補者を含まない取締役の選任議案を株主総会に提出する場合にも、「社外取締役を置くことが相当でない理由」を株主総会参考書類において説明しなければならないとされる予定です。

2.監査等委員会設置会社制度の新設
社外取締役の機能を活用する観点から、定款の定めによって、監査役会設置会社、指名委員会等設置会社(改正前の委員会設置会社の呼称を変更したもの)のほか、その過半数が社外取締役で構成される監査等委員会を置く、監査等委員会設置会社となることが可能となりました。

3.社外性要件の厳格化
社外取締役等に期待される監査・監督機能の実効性を高めるため社外性要件が厳格化されました。すなわち、社外性要件に親会社等の関係者でないものであることが新たに追加。いわゆる兄弟会社の関係者でないことも要件に追加されました。
また、その他株式会社の関係者の近親者でないことが追加された一方、社外性要件を緩和するものとして、いわゆる過去要件の対象期間が就任前10年間における株式会社等との関係に限定されました。

4.会計監査人の選解任等に関する議案の内容の決定権の監査役等への付与
経営者が会計監査人選解任等に関する議案や会計監査人の報酬の決定権を有すると、会計監査人の立場を弱くし、適切な会計監査の実施が危ぶまれるという指摘を受け、会計監査人の選解任等の議案の内容については、監査役(会)が決定権を有することとされました。
監査等委員会設置会社についても、会計監査人の選解任等の議案の内容の決定権限は監査等委員会が有することとなりました。ただし、会計監査人の報酬の決定権については、従来どおり、監査役(監査役会、監査等委員会)に同意権を認めることが踏襲されました。

5.第三者割当規制
既存株主の利益を著しく毀損する大規模な第三者割当増資を規制するため、募集株式の発行等により支配株主が異動する場合における、有価証券届出書を提出していない公開会社による通知(又は公告)及び一定割合の議決権を有する株主が反対したときの株主総会の決議が義務付けられました。ただし、当該公開会社の財産の状況が著しく悪化している場合において、当該公開会社の事業の継続のため緊急の必要があるときは株主総会の承認は不要とされます。

◎親子会社に関する規律
1.多重代表訴訟制度の新設
親会社の株主を保護する観点から、多重代表訴訟制度が新設されました。すなわち、株式会社の最終完全親会社等の総株主の議決権又は発行済株式の1%以上を有する株主は、特定責任に係る責任追及等の訴えの提起を請求することが可能です。
特定責任とは、発起人等の責任の原因となった事実が生じた日において、最終完全親会社等及びその完全子会社等における当該株式会社の株式の帳簿価額が、当該最終完全親会社等の総資産額の5分の1を超える場合における当該発起人等の責任をいいます。

2.キャッシュ・アウト法制の整備
経営の意思決定の迅速化、柔軟な経営の実現、株主管理コストの削減等を実現すること等の観点から、キャッシュ・アウト(現金を対価とする少数株主の株式会社からの排除)法制が整備され、特別支配株主(株式会社の総株主の議決権の10分の9以上を直接又は間接に保有する株主)による株式売渡請求制度が新設され、特別支配株主は、当該株式会社の株主の全員に対して、当該株主の有する当該株式会社の株式の全部を現物対価により売り渡すことを請求することが可能となりました。

3.株主による組織再編の差止請求制度の拡充
略式組織再編以外の組織再編についても、簡易組織再編の要件を満たす場合を除き、当該組織再編が法令又は定款に違反する場合において、株主が不利益を受けるおそれがあるときは、株主は、株式会社に対し、当該行為をやめることを請求することが可能となりました。

4.詐害的な会社分割における分割会社の債権者保護のための規定の新設
詐害的な会社分割による会社財産の流出によって、分割会社に債務の履行を請求できる債権者の債権回収の可能性を不当に害することを防止する観点から、分割会社が、承継会社等に債務の履行の請求をすることができない分割会社の債権者、すなわち承継会社等に承継されない債務の債権者(残存債権者)を害することを知って会社分割をした場合には、残存債権者は、承継会社等に対して、承継した財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することが可能となりました。吸収分割の場合には、吸収分割の効力が生じた時における吸収分割承継会社の善意が免責事由とされています。

◎施行期日
 平成26年6月27日(公布)から1年6ケ月以内の政令で定める日


詳しくは下記参照先をご覧ください。

参照ホームページ[法務省]
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00151.html


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