【経営】

公益通報者保護制度の民間事業者向けガイドラインが改正


  企業不祥事が、内部の労働者や取引先などからの通報で明らかになることが少なくありません。公益のために通報を行った労働者が、不利益な取り扱いを受けることのないよう、公益通報者保護制度の実効性の向上に向けた取組が図られていますが、労働者を保護するだけでなく、企業にとっても自浄作用を保つために有用なこの制度の取組をさらに進めるため、「民間事業者向けガイドライン」が改正されています。

◎「公益通報者保護制度」とは
企業による一定の違法行為などを、労働者が企業内の通報窓口や外部のしかるべき機関に通報すること(内部告発を含む)を「公益通報」といいます。公益通報は、企業の違法行為を明るみに出すことによって、その是正を促し、消費者や社会に利益をもたらすことになりますが、通報した人はそれによって、企業から解雇や降格などの不利益な取扱いを受けるおそれがあります。

そこで、公益のために通報を行った労働者を保護するとともに、国民の生命、身体、財産を保護するために「公益通報者保護法」が設けられ(※)、それを踏まえて「公益通報者保護制度」が整備されてきました。
※平成16年6月公布、平成18年4月施行。

◎公益通報者保護制度の事業者にとっての意義とは
(1)内部の問題を早期発見し、被害の発生・拡大の防止
組織内の一部関係者のみが情報を持っているような違法行為などは、なかなか発見しにくく、多くはそうした行為に疑問を持つ関係者からの通報により発覚します。問題が大きくなる前に発見・解決して、組織の自浄作用を高めることができます。

(2)リスクの抑制と企業価値の向上
違法行為の発見が遅れると、事業者の処罰や行政措置などによる損失のほかに、拡大した被害の補償コスト、消費者や取引先からの信頼の低下や従業員の士気へのダメージなどが加わります。

リスクを最小限に抑えるためには、もし違法行為があれば、事業者自らが速やかに発見し自浄作用を発揮していくための仕組みが必要です。内部通報制度を整備し運用することで、事業者のリスクを減らすことができます。
また、そうして経営上のリスクを抑えることで、消費者、取引先、株主、投資家などからの信頼を高め、企業価値の向上につなげることができます。

◎改正ガイドラインについて
消費者庁が平成28年に行った「民間事業者における内部通報制度の実態調査」によると、内部通報制度を導入している企業は大企業で99.2%、中小企業では40.2%となっており、中小企業では導入が十分とはいえない状況にあります。また、内部通報制度が導入されている企業でも、従業員の多くが「勤務先内部に通報しても十分に対応してくれない」「不利益な取扱いを受けるおそれがある」と思い、勤務先以外に通報するなど、内部通報制度が機能していないために、企業不祥事が発生するケースも見受けられます。

消費者庁では、これまでも事業者が内部からの通報に適切に対応するための指針として「民間事業者向けガイドライン」の普及・促進に努めてきましたが、このような状況を踏まえ、平成28年12月に本ガイドラインを改正し、内部通報制度の整備・改善を進めるため、事業者が自主的に取り組むことが推奨される事項を具体化・明確化しました。
(1)通報者の視点:安心して通報ができる環境の整備
・通報に係る秘密保持の徹底
・通報者に対する不利益な取扱いの禁止の徹底
・自主的に通報を行った者に対する懲戒処分などの減免

(2)経営者の視点:経営幹部の主導による実効性の高い内部通報制度の整備・運用
・経営幹部が果たすべき役割の明確化
・経営幹部からも独立した通報ルートの整備
・内部通報制度の継続的な評価・改善

(3)中小事業者の視点:中小事業者の取組の促進
・規模や業種などの実情に応じた適切な取組の促進
・サプライチェーンなどの関係事業者全体における実効性の向上

(4)国民・消費者の視点:制度の適切な運用を通じた企業の社会的責任の実践
・法令違反などに対する社内調査・是正措置の実効性の向上


詳しくは下記参照先をご覧ください。

参照ホームページ[消費者庁]
http://www.caa.go.jp/planning/koueki/minkan/shikumi.html


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