【税務】

税務に関するコーポレートガバナンス取組みの事務実施要領の制定


  国税庁は、大企業の税務コンプライアンスの維持・向上には、トップマネジメントの積極的な関与・指導の下、大企業が自ら税務に関するコーポレートガバナンスを充実させていくことが重要で効果的である、といった観点から、税務に関するコーポレートガバナンスの充実を一層促進するため、その取組の事務実施要領の制定について事務運営指針をこのほど公表しました。

■税務に関するコーポレートガバナンスの充実に向けた取組の事務実施要領の概要
全国の国税局調査部には特別国税調査官という部門があり、ここは大企業を調査対象としています。国税局へ税務申告している法人数は全国で約300万社余り。そのうち調査部所管法人は約3万社、そのうち特別国税調査官所掌法人は約500社で、これは法人数では全体の0.02%に過ぎませんが、申告所得金額は全法人の約4分の1を占めていることから、大企業の税務コンプライアンスの状態がその企業グループは当然として、下請け中小企業を含めたその地域、あるいは業界団体へ大きな影響を及ぼしています。さらに、近年は国内外において、コーポレートガバナンスの充実が重要との認識が高まり、法整備を含め、その充実のための環境整備も進んできています。

◎取組の趣旨
大企業の税務コンプライアンスの維持・向上には、トップマネジメントの積極的な関与・指導の下、大企業が自ら税務に関するコーポレートガバナンスを充実させていくことが重要かつ効果的であることから、その充実を促進する。

◎用語の意義
当事務実施要領において、次に掲げる用語の意義は、それぞれ次による。
(1)税務コンプライアンス
納税者が納税義務を自発的かつ適正に履行すること
(2)税務に関するコーポレートガバナンス
税務についてトップマネジメントが自ら適正申告の確保に積極的に関与し必要な内部統制を整備すること
(3)トップマネジメント
法人の代表取締役、代表執行役のほか、法人の業務に関する意思決定を行う経営責任者等

◎対象法人
実地調査を実施する国税局特別国税調査官所掌法人を対象とする。

◎確認方法等
確認方法としては、まず、調査の機会を利用して対象法人に税務コーポレートガバナンスの「確認表」の記載を依頼。確認項目は、以下の5項目。
(1)トップマネジメントの関与・指導
(2)経理・監査部門の体制・機能の整備・運用
(3)内部牽制の働く税務・会計処理手続の整備・運用
(4)税務に関する情報及び再発防止策の社内への周知
(5)不適切な行為の抑制策の整備・運用

調査(査察)部長または次長が面談を担当し、担当特官が同席する。そして、調査結果の概要を説明し、その是正事項の再発防止に向けた取組を含め、税務コーポレートガバナンスについて、改善が必要な箇所に関して、効果的な取組事例を紹介しつつ、トップマネジメントとの意見交換を実施する。

税務コーポレートガバナンスの判定結果は、特別国税調査官所掌法人の調査必要度の重要な判断材料のひとつとして活用。税務コーポレートガバナンスの状況が良好で、調査結果に大口・悪質な是正事項がなく調査必要度が低いと判断される法人については、調査省略時に一般に国税当局と見解の相違が生じやすい取引を自主的に開示し、当局がその適性処理を確認することを条件に次回調査までの調査間隔が1年延長される。

なお、国税庁では「大企業の税務に関するコーポレートガバナンスの充実に向けた取組事例」を公表しており、上記の確認項目の(1)では、「トップマネジメントが遵守の徹底を指示しているコンプライアンスガイドブックに、税務上問題となる取引をケーススタディ形式で掲載し、全社員に配布」、「税務調査中に指摘された事項に類似する取引の有無について、全社に徹底調査を指示」などがあります。また、(2)では「税務調査で指摘事項があった事業部門に対しては、次期決算前に経理部署が臨場して模擬税務調査を行い、誤りがあればトップマネジメントに報告し、再指導の上、是正を徹底」などが紹介されています。
取り組み事例URLhttp://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/hojin/sanko/cg.htm


詳しくは下記参照先をご覧ください。

参照ホームページ[国税庁]
http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/jimu-unei/sonota/160614/index.htm


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