【経営】

職務発明制度のガイドライン案について


  「特許法等の一部を改正する法律」(平成27年法律第55号)が、平成28年4月1日に施行予定となっています。本改正では、従業者等が受ける権利を有する「相当の金銭その他の経済上の利益」についての予見可能性を高め、発明者を保護し発明を奨励するため、経済産業大臣がガイドラインを定めることとなっています。先頃、当該ガイドライン案が取りまとめられ公表されました。

■ガイドライン案の概要
「特許法第35条第6項に基づく発明を奨励するための相当の金銭その他の経済上の利益について定める場合に考慮すべき使用者等と従業者等との間で行われる協議の状況等に関する指針」には、下記の内容を示す。

1.目的
改正後第35条第5項の不合理性の判断は、同項に例示される手続の状況が適正か否かがまず検討され、それらの手続が適正であると認められる限りは、使用者等と従業者等があらかじめ定めた契約、勤務規則その他の定めが尊重されることが原則であることを明示。
上記原則に鑑み、使用者等及び従業者等が行うべき手続の種類と程度を明確にし、改正後第35条第5項の不合理性の判断に係る法的予見可能性を高めることにより、発明を奨励することを目的と明示。

2.適正な手続
ガイドライン案では、改正後第35条第5項に例示される手続の適正な在り方等について示す。
(1)相当の利益の内容を決定するための基準の策定に際して使用者等と従業者等との間で行われる協議の状況
「協議」とは、基準を策定する場合において、その策定に関して、基準の適用対象となる職務発明をする従業者等又はその代表者と使用者等との間で行われる話合い(書面や電子メール等によるものを含む。)全般を意味することを明示。
例えば、従業者等が代表者を通じて話合いを行う場合の適正な在り方等について明示(その代表者がある従業者等を正当に代表していることが必要です。この正当に代表しているとは、従業者等がその代表者に対して使用者等との協議を委任していることをいいます。この委任は、明示的な委任だけではなく、黙示的な委任であっても良いと考えられます)。

(2)策定された当該基準の開示の状況
「開示」とは、策定された基準を当該基準が適用される各従業者等に対して提示することを意味することを明示。
例えば、イントラネットで基準を開示する場合に個人用電子機器を与えられていない従業者等がいる場合の適正な在り方等について例示(従業者等の見やすい場所に掲示する方法や、基準を記載した書面を従業者等に交付する方法等)。

(3)相当の利益の内容の決定について行われる従業者等からの意見の聴取の状況
「意見の聴取」とは、職務発明に係る相当の利益について定めた契約、勤務規則その他の定めに基づいて、具体的に特定の職務発明に係る相当の利益の内容を決定する場合に、その決定に関して、当該職務発明をした従業者等から、意見(質問や不服等を含む。)を聴くことを意味することを明示。
例えば、あらかじめ従業者等から意見を聴取した上で相当の利益の内容を決定する方法の場合の適正な在り方等について明示(意見の聴取の時機については、(ア)あらかじめ従業者等から意見を聴取した上で相当の利益の内容を決定するという場合、(イ)使用者等が基準に基づいて相当の利益を決定した後に、従業者等からその決定について意見を聴くという場合、のいずれであっても良いと考えられます)。

3.その他
ガイドライン案には、2の他、今回の改正で新たに認められた金銭以外の相当の利益の具体例や大学や中小企業、新入社員や派遣労働者、退職者における特有の事情を考慮した手続の在り方等についても明示。

◎金銭以外の相当の利益の具体例
(イ)使用者等負担による留学の機会の付与
(ロ)ストックオプションの付与
(ハ)金銭的処遇の向上を伴う昇進又は昇格
(ニ)法令及び就業規則所定の日数・期間を超える有給休暇の付与
(ホ)職務発明に係る特許権についての専用実施権の設定又は通常実施権の許諾 等

4.職務考案及び職務創作意匠における準用
本ガイドライン案は、職務考案(実用新案法第11条第3項)及び職務創作意匠(意匠法第15条第3項)に準用


詳しくは下記参照先をご覧ください。

参照ホームページ[特許庁]
https://www.jpo.go.jp/seido/shokumu/shokumu_guideline.htm


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